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雨上がりのあの匂い、実は名前があった

動画公開:

ひとことで言うと

雨のにおいは「ペトリコール」と呼ばれます。1964年にオーストラリアの研究者が、乾いた岩や土から取り出した油にこの名前を付けたのが始まりで、今ではにおいそのものを指す言葉として使われています。

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動画の内容

  1. 曇り空から雨が降り始める街並みの俯瞰イラスト

    雨が降り始めた瞬間、ふわっと土のような匂いを感じたことはありませんか?

  2. 土や岩に雨粒が落ちる様子のクローズアップイラスト

    あの匂いには「ペトリコール」という名前が付けられています。

  3. 土の中に見えない油分や微生物のイメージを可視化したイラスト

    乾いた土や岩には、植物が出す油分やバクテリアが作る成分が溜まっています。

  4. 雨粒が地面に当たり香り成分が舞い上がる様子のイラスト

    雨粒がそこに当たると、これらの香り成分が空気中に弾き飛ばされて、私たちの鼻に届くんです。

  5. 人が外で空を見上げ深呼吸するシルエットイラスト

    人間の鼻はこの匂いにとても敏感で、ごく微量でも感じ取れると言われています。

もう少し詳しく

名前が付く前から知られていたにおい

乾いた粘土や土に息を吹きかけたり、水でぬらしたりすると独特のにおいが立つことは、古い鉱物学の教科書にも書かれていたそうです。とくに乾燥した地域では、日照りのあとの最初の雨と結びついたにおいとして知られていました。

インドでは、このにおいを白檀(サンダルウッド)の油に移しとった「マッティ・カ・アッタル(土の香水)」という香水も作られていました。ただ、においのもとが何なのかは、科学的にはわかっていませんでした。

「ペトリコール」は、もともと油の名前

この謎に取り組んだのが、オーストラリアの国立研究機関 CSIRO のイザベル・ジョイ・ベアさんとリチャード・トーマスさんです。暖かく乾いた屋外にさらされていた岩石を水蒸気で蒸留したところ、黄色っぽい油がとれ、これがにおいのもとだとわかりました。

2人は1964年に科学誌『Nature』でこの結果を発表し、油を「ペトリコール」と名づけました。ギリシャ語の「ペトラ(石)」と、ギリシャ神話で神々の体に流れる液体「イコル」を組み合わせた造語で、「石から出るエッセンス」といった意味合いです。

動画では「あの匂いにペトリコールという名前が付けられている」と紹介しました。今はその使い方で広く通じますが、名づけられたのは、もともとにおいを出す油のほうだった、というのが正確なところです。

もうひとつの名前「ゲオスミン」

雨上がりのにおいの話でよく一緒に出てくるのが「ゲオスミン」です。こちらは1965年、アメリカのラトガース大学の研究者が、土の中にすむ細菌の仲間「放線菌」から、土くさいにおいの物質として取り出して名づけたものです。

ゲオスミンは、人や動物がきわめて低い濃度でもかぎ取れる物質として知られています。動画で「ごく微量でも感じ取れる」と紹介したのは、主にこのゲオスミンについて確かめられている性質です。雨のにおいは植物由来の油なども混ざったもので、1つの物質だけでできているわけではありません。

においが空気に乗るしくみ

においの成分がどうやって空気中に出てくるのかは、長く説明されていませんでした。2015年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、雨粒が土に当たる瞬間を高速カメラで撮影しました。すると、雨粒の下に小さな空気の泡ができ、それが浮き上がってはじけるときに、目に見えないほど細かいしぶき(エアロゾル)が飛び出すことがわかりました。しぶきは激しい雨よりも、小雨〜ふつうの雨のときに多く出ていました。

ただし、この研究はにおいの成分そのものを測ったわけではなく、研究者自身も「雨のにおいはこのしくみで運ばれているのでは」という仮説として語っています。動画の「香り成分が弾き飛ばされて鼻に届く」という説明は、いま有力とされる考え方のひとつと受け取るとよいでしょう。

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出典・参考資料

最終確認日: 2026-10-09

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