サッカーゴールのネット、誕生の意外なきっかけとは?
ひとことで言うと
ゴールネットは、イギリス・リヴァプールの技師ジョン・ブロディが1889年に考案したとされます。誤ってゴールが取り消された試合がきっかけで、ボールがゴールを通ったかを見分けやすくするための工夫でした。
YouTubeで見る動画の内容

サッカーの試合で、ボールがゴールに吸い込まれる瞬間。あの背後にあるネット、実は最初からあったわけじゃないんです。

19世紀のサッカーには、ネットがありませんでした。ゴールはただの2本のポストとバーだけ。

すると何が起きたか。ボールがゴールを外れたのか、入ったのか、審判にも観客にも分からず、毎試合のように大もめしていたんです。

この問題を解決しようと1891年、あるエンジニアがネットを考案。ゴールの判定を一目で誰にでも分かるようにしたんです。

つまりゴールネットは、デザインのためじゃなく「誰が見ても分かる公平な判定」のために生まれたものだったんです。
もう少し詳しく
きっかけは「取り消されたゴール」
ゴールネットを考えたのは、イギリス・リヴァプールの土木技師ジョン・アレクサンダー・ブロディです。リヴァプール大学の工学部の紹介によると、ブロディは応援していたエヴァートンのゴールが誤って取り消されたのを見て、ネットを思いついたとされています。ブロディは、マージー川の下を通る道路トンネル(クイーンズウェイ・トンネル)を設計した技師としても知られています。
動画では「1891年にネットを考案」と紹介しましたが、同大学の紹介では考案は1889年となっています。また「毎試合のように大もめしていた」という部分は、そうした判定トラブルがあったことを強めに表現したもので、毎試合だったと確かめられる記録があるわけではありません。
ネットがあると何が分かりやすくなる?
ネットのないゴールは、2本のポストとクロスバーで作った「枠」だけです。ボールがポストのすぐ近くを勢いよく通り抜けると、枠の内側を通ったのか、外側をかすめたのかを見きわめるのはむずかしくなります。
ゴールの後ろにネットを張っておけば、枠の内側を通ったボールはネットに受け止められて、ゴールの中に残ります。ボールがどこにあるかを見れば結果がわかるので、審判だけでなく選手や観客にも判定が伝わりやすくなりました。
今のルールでは、ネットはどう決まっている?
いまのサッカーのルール(競技規則)は、国際サッカー評議会(IFAB)が定めています。その第1条「競技のフィールド」には、ネットについて次のようなことが書かれています。
- ネットは、ゴールとゴール後方のグラウンドに取り付けてもよい
- ネットはきちんと支えられていなければならない
- ネットがゴールキーパーのじゃまになってはいけない
文言は「取り付けてもよい」で、ネットを張ること自体は義務としては書かれていません。なお同じ第1条では、ゴールそのものはグラウンドにしっかり固定すること、ゴールやネットに広告を出してはいけないことも決められています。
ゴールを決めるのはネットではなく「線」
意外かもしれませんが、得点かどうかを決めるのはネットではありません。競技規則の第10条では、ボールの全体がゴールラインを越えたとき(ポストの間、クロスバーの下)に得点になると定められています。ネットが揺れても、外側からサイドネットに当たっただけなら得点にはなりません。
つまりネットは、ボールがラインを越えたかどうかを見やすくするための「助っ人」です。いまでは、その見きわめをさらに機械で助けるゴールラインテクノロジーも、競技規則で使ってよいとされています。
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出典・参考資料
- About us | School of Engineering(University of Liverpool)
- Law 1 - The Field of Play(IFAB(国際サッカー評議会), Laws of the Game)
- Law 10 - Determining the Outcome of a Match(IFAB(国際サッカー評議会), Laws of the Game)



