なぜ、サッカーの「ボランチ」はハンドルという意味なの?
ひとことで言うと
「ボランチ」はポルトガル語の volante から来た言葉で、この語には自動車のハンドルの意味があります。ただし volante は意味の多い言葉で、なぜ守備的な中盤の選手をこう呼ぶか、はっきりした記録は確認できません。
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サッカーの実況でよく耳にする「ボランチ」というポジション名。実はこれ、ポルトガル語で「ハンドル」を意味する言葉なんです。

車のハンドルが方向を操作するように、ボランチの選手はチーム全体の動きを操る役割を持っています。攻守の切り替えやパスの起点として、まさにチームの舵取り役なんですね。

同じようにポジション名の由来を辿ると面白い発見があります。「リベロ」はイタリア語で「自由な」という意味。守備の枠にとらわれず自由に動ける選手を指す言葉なんです。

普段何気なく使っているポジション名にも、こうした言葉の由来があると知ると、次に試合を見るときの楽しみが一つ増えますね。
もう少し詳しく
「volante」は意味の多いことば
ポルトガル語の辞書で volante を引くと、たしかに「自動車の進む向きを操る輪」、つまりハンドル(ステアリング)という意味が載っています。日本の国語辞典『デジタル大辞泉』も、ボランチを「自動車などのハンドルの意」と説明しています。
ただ、volante の意味はそれだけではありません。もとはラテン語の volans(飛んでいる)にさかのぼる言葉で、形容詞としては「飛ぶ」「持ち運べる」「ひとところにとどまらない」といった意味があります。名詞としても、バドミントンのシャトル、機械の回転をならす重いはずみ車、時計の部品など、さまざまなものを指します。ハンドルは、そのたくさんの意味のうちのひとつ、と考えるのが正確です。
ブラジルでの「ボランチ」
ポルトガル語の辞書には、サッカー用語としての volante も別の意味として載っています。ブラジルのポルトガル語で、守備ラインと中盤のあいだにいる選手、中盤で守備的な役割をになう選手のことです(médio-volante とも言います)。同じ位置の選手を、ポルトガルでは trinco と呼びます。
日本語のボランチも、中盤で相手の攻撃の芽をつみ、深い位置から試合を組み立てる選手を指します。いわゆる「守備的ミッドフィールダー」「ディフェンシブハーフ」とほぼ重なる役割です。
「ハンドルだから舵取り役」はどこまで本当?
動画では「ハンドルが方向を操るように、ボランチはチーム全体を操る」と紹介しました。イメージとしてはわかりやすいのですが、ポルトガル語の辞書では、サッカーの volante は「ハンドル」とは別の意味として並んでいて、ハンドルから名づけられたとは書かれていません。
なぜこのポジションが volante と呼ばれるようになったのかは、由来に諸説あり、はっきりした記録は確認できません。また、ブラジルの辞書の説明では「守備」が役割の中心です。「舵取り役」というのは、日本での役割のイメージをふくめた、ひとつの見方として楽しむのがよさそうです。
「リベロ」の「自由」は何から自由?
イタリア語の libero は、たしかに「自由な」という意味です。イタリア語辞典 Treccani によると、サッカーのリベロは、特定の相手を見張る役目(マンツーマンのマーク)を持たずに、守備全体をまとめて動かす役目をになう守備の選手を指します。「どこへでも自由に動ける」というより、「マークの担当から自由」という意味合いです。
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出典・参考資料
- Significado de volante - Dicionário Priberam da Língua Portuguesa(Priberam)
- Volante | Michaelis On-line(Editora Melhoramentos(Michaelis Dicionário Brasileiro da Língua Portuguesa))
- Médio-volante | Michaelis On-line(Editora Melhoramentos(Michaelis Dicionário Brasileiro da Língua Portuguesa))
- ボランチとは? 意味や使い方(小学館『デジタル大辞泉』(コトバンク))
- Lìbero - Significato ed etimologia - Vocabolario - Treccani(Istituto della Enciclopedia Italiana(Treccani))



