なぜ、サッカー場の芝には縞模様があるの?
ひとことで言うと
縞模様は色の違う芝ではなく、芝刈り機のローラーで芝の葉を列ごとに逆向きに倒した跡です。見る人から遠ざかる向きに倒れた列は明るく、手前に向かって倒れた列は暗く見えます。
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サッカー中継を見ていると、ピッチに濃い緑と薄い緑の縞模様があるのに気づきませんか?

実はあの模様、芝の色が違うわけではなく、同じ芝が光を反射する向きによって濃淡に見えているんです。

芝刈り機やローラーで芝を一方向に倒すと光が反射して明るく見え、逆方向に倒すと影になって暗く見えます。

この縞模様は美しく見せるだけでなく、選手やカメラからボールの動きを追いやすくする効果もあると言われています。

次に試合を見るときは、芝の模様がどうやってできているのか、ぜひ観察してみてください。
もう少し詳しく
同じ芝でも、倒れる向きで明るさが変わる
縞模様の正体は、芝の種類や色の違いではありません。試合用のピッチを刈る芝刈り機には、刈った芝を押さえつけるローラーが付いていて、通ったあとの芝の葉は進んだ方向に倒れます。列ごとに行きと帰りで向きを変えて刈ると、芝が倒れる向きが交互に入れ替わり、縞になります。
芝の研究者によると、見る人から遠ざかる向きに倒れた芝は明るく、手前に向かって倒れた芝は暗く見えます。遠ざかる向きに倒れていると、細長い葉の面がこちらを向いて光をよく返します。手前に倒れていると、見えるのは主に葉の先のほうで、光を返す面が小さくなるためです。
明るい列と暗い列は、見る位置で入れ替わる
動画では「一方向に倒すと明るく、逆方向に倒すと暗く見える」と紹介しましたが、明るさを決めるのは倒れた向きそのものではなく、見る人との向きの関係です。ある列が明るく見えていても、ピッチの反対側から見ると、その列は手前に倒れていることになるので暗く見えます。スタジアムで席を移ったり、中継でカメラが切り替わったりしたときに、縞の明暗が入れ替わることがあるのはこのためです。
ルールで決まっているのは「刈り方」より「線」
サッカーの競技規則(IFAB 第1条)は、ピッチを天然芝とし、大会が認めれば人工芝や、両方を組み合わせたもの(ハイブリッド)も使えること、人工芝は緑色であること、そして規則で定めた線以外はピッチに描かないことを定めています。ただ、芝の刈り方や縞模様についての決まりはありません。
縞の形を決めているのは大会ごとの規定です。たとえばイングランドのプレミアリーグは、芝の長さを27mm以下にそろえたうえで、タッチラインと直角に、ピッチの幅いっぱいにまっすぐ平行な縞が出るように刈ることを求めています。円や斜めの模様は認められていません。
「ボールを追いやすい」「オフサイドの目安」説について
縞模様には「ボールの動きを追いやすくなる」「審判がオフサイドを見る目安になる」といった話もよく聞きます。動画でも「と言われています」として紹介しました。ただ、競技規則にも大会の規定にも、縞をそうした目的で使うとは書かれておらず、効果を確かめた資料も見つけられませんでした。
オフサイドの規則(第11条)は、選手の頭・体・足の位置を、相手チームの後ろから2人目の選手やボールと比べて判定すると定めていて、芝の縞は判定の基準ではありません。そもそも縞の明暗は見る位置で変わるので、ものさしとして使うには向きません。縞模様は、まずは芝の手入れが生んだ「見た目の工夫」と考えるのがよさそうです。
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出典・参考資料
- How do they make those crazy designs on major league baseball outfields?(American Society of Agronomy / Crop Science Society of America / Soil Science Society of America(News Release, 2018))
- Law 1 - The Field of Play(The IFAB(Laws of the Game))
- Law 11 - Offside(The IFAB(Laws of the Game))
- Pitch Standards Framework 2025 Edition(Premier League)



